初めて彼と話した日
日が空いてしまったが、彼とのエピソードの続きを書こうと思う。
違うことが書きたかったから、、というのもあるけれど、実を言うと彼のことばっかり書いてはあのヘラヘラした男を調子づかせることになりかねない、と懸念していたのである。
別に調子に乗ったから素っ気なくなるとか、そーいう心配をする人ではないけれど
鈍感すぎてたまにぶん殴りたくなる時がある。笑
でもこれを書かないと次に進めないし、他のこともなんだか書けない。
とりあえず楽しみながらも宿題を片付けるような気持ちでこのことを書いていこうと思う。
中学卒業から5年後の、成人式での再会について、、。
成人式、とは言ったが正確にはその後の同窓会だ。
記憶力がいいはずなのに、成人式でのことはほとんど何も覚えていない。
地元の友達と距離を置いてきたのもあり、始めっから成人式で誰かと会おうとかそーいう期待は一切していなかった。
それなのに何故か、同窓会は楽しみにしていた。
正直、中学時代は大人しくてほんの一部の人としか話さなかったのに楽しめるのだろうか?と不安もあったけれど、
高校で人見知りを克服して誰とでも話せるようになったわたしは前向きに捉えていた。
大丈夫、なんとかなるさ!
その日、前もって韓国人留学生の友達に借りていた黒いドレスと水色のジャケットを着て出掛けていった。
正直に言うとその同窓会の一次会でのこともあまり覚えていない。笑
昔より可愛くなってた人、昔は背が高くてモテるタイプだったのに成長が止まってしまったのかイメージよりも小さかった人、、
特に仲が良くもないのにいろんな人がいて見ているだけで面白かった。
一次会はそれなりに楽しめたと思う。
わたしは3月生まれだから当時正確には19歳だったが、もう『お酒の力を借りる』ということを覚えていた。
無駄にアルコールが強くて気を張る場ではなかなか酔えない。
味自体は大して好きでもないビールを飲み、、グラスが空いたら瓶から注ぎ、、を繰返しけっこう飲んだ。
それなりに話し、懐かしみ、かるーく気分が上がってきたところで、一次会は終わった。
地元愛も地元の友達愛も薄かったわたしは二次会に行く気は当初全くなかったのに
昔の人見知りが嘘のようにいろんな人と話し、楽しんでいるうちに気が変わった。
今思うと本当にこの時、行きたいと素直に思って良かった。
それでこの先のわたしの人生はけっこう変わってくる。
いや、大きく変わってくる。
わたしが人様に偉そうに言えることはないけれど、人生を大きく展開していく魔法がただひとつあるとするなら『素直になる』ということなのだ。。
部活で仲良くしていた子達は二次会には行かないらしい。
わたしは中学時代にクラスが一緒になり、心を開いた数少ない友人達と一緒にいた。
一次会の会場から二次会の居酒屋まで送迎バスが出ているらしい。
その順番待ちを彼らとしていた。
どこかに腰かけて女友達と話していたわたしはふと、その集まりに目を向けた。
その中には話したことがない人もいて、わたしの男友達と同じ部活だった男の子や、その男の子と同じクラスだった男の子もいたけれど、、
その中に彼はいた。
(みなさんお待たせしました。やっとですが登場です💦笑)
その日、初めて彼を目にしたような気がする。
背の高い彼はスーツを着て微笑んでいた。
わたしの記憶の中にいる人とパッと見のイメージが変わっていて誰かわからなかった。
けれどすぐに、わたしは思い出した。
あ、あの人かー。
でも、肝心なことは忘れたままだった。
わたしが昔、ほんの少しでも気にかけていたことや、話してみたら絶対仲良くなれるとわかっていたこと。
その辺はまるっきり、つい最近まで記憶のすみに追いやられていた。
それは何故か最近思い出されたのだけれど、、💧
この時はまるっきり『ただの穏やかそうな話したことのない人』だった。。
二次会の居酒屋までのバスはいくら待っても順番が来ない。
待ってる人数に対して、乗れる人数が少なすぎるのだ。
わたしたちは諦めて歩いて向かうことにした。
その集まりの中には昔好きだった男の子と、その元カノだった女の子もいた。
あの時、昔を思い出すと複雑な思い出があったのはきっとわたしだけではないはず。
それでもこれで良かったんだと思えたのだから。。
時間というのは不思議だ。
全てを包み込んでくれる。
一月の夜は寒い。
その時も例外なくそうだったと思う。
歩いて向かうには決して近くはないのに、何故か夜風が気持ちよく感じたのを覚えている。
ふと気づくと、わたしの隣を彼が歩いていた。
わたしは女友達と連れだって歩いていたのに、いつの間に変わったんだか全然覚えていない。
でも、初めて話すのにとてもしっくりきた。それは覚えている。
緊張もしないし、何を話そうなんて考えなくても普通に言葉が出てきて、間を気にすることもなかった。
車道側を歩いているわたしに、さりげなーく歩道側と「変わろうよ」とジェスチャーしてくれたり。
「あぁ、なんだか楽しいな。この人と付き合えたら幸せなんだろうなー。」
と、19歳のほろ酔い娘の頭にふと、そんな思いが浮き上がってくる。
しかし
「いかんいかん!わたし彼氏いるんだった!笑」
と、すぐに浮わついた考えを自らの手で掻き消した。
二次会は一次会よりも楽しかった。
あからさまにこーいう言い方をするわたしはどうしようもない人だけれど、
本当にわかりやすく言うなら
この時わたしはモテた。
いろんな男の子が話しかけてきてビックリした。
「顔はいいのに話さないでもったいない」
なんて褒めてんだか、けなしてるんだか、、ということを中学時代は言われることも多かったわたし。
話すようになったら周りの反応がこんなに変わるのかとすごく驚いた。
でも、ビックリしたのは周りの人もそうだったと思う。
むしろ、あんな子いたっけ??って感じだったんじゃないかな。
後から聞いたら彼も「あれ?この子こんなに話すような感じの子だったっけ?って思ったんだよね」
って言ってたくらいだから。
まぁほどほどに調子に乗りつつ久々の再会を楽しみ、お開きの頃、何人かが連絡先を聞いてきた。
彼氏いるけどまぁいいか、
とそれに答えつつ
「いや、本当に聞いてほしいのはあなた方ではなくて、、」
とひっそり思っていたところに
「じゃー俺もっ!」
と、彼が連絡先を聞いてきてくれた。
ナイス便乗!!👍✨
心の中でそう思った。笑
お開きの後どう帰ったか、その後のことは全く覚えていない。
そして連絡先を交換したはいいけど、その後やりとりすることもなく、それからまた何年も彼とは会わなかった。
その日のことを楽しかった飲み会くらいにしか記憶にとどめず、また日常に戻り彼を一瞬で忘れた。笑
こうやって記憶を辿ってみると、不思議な布石を過去に打ってきて来ていて
それがもとになりこうして今、示された道を歩んでいるような気もする。
その時はただ、こうしたいとふと思ったから起こした行動が未来に作用している。
とても面白い。
ただひとつ言っておく。
こーやってドラマチックに過去をふりかえっても、当の相手はほとんど何も覚えていない。
わたしが夢見がちな性格なのも難有りだが、あの男の記憶力に関しては虚しいを通り越して笑えてくる。
でもそれもいいところだと思う。
わたしは嬉しいことも嫌なことも忘れられず、気持ちの切り替えが下手なのに対して彼は何でもあっけらかんとしている。
言ったことをすぐ忘れちゃうのにはビックリもする反面、羨ましいのも事実だ。
でも、わたしがなんでも忘れちゃってたらこれは書けない。笑
人の長所も短所も捉えようで、パズルのように人と人とで組合わさっている。
彼といるとつくづくそう感じる。
次に会ったのは、確か、、
23歳の6月だったと思う。
19歳の成人式から4年と5ヶ月後。
その間にわたしはしょーもない経験を積むことになる。
それも全部ネタになるなら、、まぁいいか。笑
ではでは、、、つづく。
読んでくれてありがとう(^-^)