本当は、、、
その日は確か、どんよりした気持ちのままお別れしたような気がする。
ずっと地元にいると思ってたから、一緒に飲みに言った帰りはいつも家まで送ってもらってた。
飲んでほろ酔いの状態でする散歩がわたしは大好きだったから、それもすごく幸せな時間だったんだけれども、それも彼が気を使ってしてくれていたことなんだと思ったらちょっと申し訳なくて悲しくなった。
まあ、実家に住んでないだけで、ほとんど地元って言ってもいいような場所にお住まいなんですが、、。
ごめんねってたくさん謝られて、でも悲しくて、、
その次の日もわたしは落ち込んだままだった。仕事が休みで、たまたま両親が旅行に行っていたから一人で過ごしていたけれど、全く食欲も湧かず、夜までジュースで十分と言う感じだった。
大事なことを誤魔化したまま楽しい時間を過ごそうと思っていたのに「そうはいかないよ!」と神様に言われているかのようなこの展開。
なんでこんなに悲しいのかな、、だって、彼に彼女がいるのは知っていたよね??
家で一人で過ごしながらノートを広げた。そろそろ自分の気持ちに正直になるときが来たようだ。
わたしはいつもそうだが、自分がどうしたいのかわからず困ったときはこのノートを開く。
loftで買った、表紙にも中にも一切何にも書いていないノート。
わたしはそれに「わたしだけの心の世界」として自由な思いを書いている。
なんでこんなに落ち込んでいるの?何が嫌なの?
自分で自分に問う。
でも、、なかなか素直に書き出せない。
誰にも見せるつもりもないノートなのに、ためらいが出る。
「恥ずかしい」「わたしなんかが」「そんなの無理だよ」
主にわたしの素直な気持ちを拒んできたのはこの言葉達。
でも、、ここはわたしの世界なのに、なんでこの場で書くことさえできないの?
もっと自由でいいじゃない。現実が悲しいこんなときくこそ、ここで吐き出そうよ。
そう言い聞かせてペンをとった。
「・・・今も一緒にいるのかな?って考えると嫌な気持ちになる」
「・・・一緒に住んでるってことは、この先もずっと一緒にいようって心に決めちゃってるってことだよね??とか思うと絶望的な気持ちになる」
暗い気持ちが文字になって出ていくと同時に、自分の素直な心に蓋をしていたものが少しずつ取れていくのがわかった。
じゃぁ、、、本当は?
本当はどうしたいの??
自分には彼氏がいるとか、相手に本気にしてもらえないかもなんて、取り合えずおいといて!
本当は、、、?
これは究極の質問だった。でも、答えはとっくにわかっていた。
それなのにその気持ちを認めたくなかったのは、自分を許せなかったから。
でも、そんなことも全部関係ないなら、、
わたしは、
本当は、本当は、、
もっと、、
ずっと一緒にいたい、、。
だった。
願いはとてもシンプルだった。
許せなかった自分の望みを許したら、後から後から溢れるように思いが出てきた。
走り書きでどんどん書いていく。思いを出すほどに自由になるというか、本当の思いと同時に自分が解放されていくような気分だった。
さっきまでお腹も痛くて食欲も無くすくらい落ち込んでいたのに、自分がどんどん元気になっていくのがわかった。
自分のなかに力強さが蘇ってくる。
そこでわたしはもうひとつ、思いきったことを書こうか少し躊躇することがあった。
ずっと一緒にいたいっていうことは、つまり、、
もっと分かりやすい誓いを人間は持っているでしょ、、?
心のなかで誰かが囁いたようだった。
まさかちょうど3ヶ月後、自分にこんな形で暴露されると思っていないから当時の自分はえいっ!!とノートにこう書いた。
「結婚したい。します。」
物語はつづく。笑
さぁ、このブログもいよいよ頭のおかしい人が書いてる感が出てきたけれど、それでいいのである。
上手くいくと分かりきっていることだけを選んで生きるなんて面白くないし、上手くいってから「わたしはこういう考えで生きてきました」的なことを言う人も好きではない。
成功するとかしないとか、実現するとかしないとか、本当はそんなの二の次でいいのだ。
もっと生きるってのは自分の思いを表現することじゃないのか?
上手くいっている部分だけを見せようとするのは本質的な自分を信頼していないから。
まあ、こんなこと言えるようになったのも最近だから誰に対しても偉そうなことは言えないんだけど。
だってもともとFacebookとかSNSでは充実した自分を気取りたい人でもあったし、
「自分のやりたいこと=人からすごいと思われること」だと無意識に捉えていたんだからどうしようもない。苦笑
まぁ、とにかくあれだ、わたしの恋がこの先どうなっても今この瞬間のこの気持ちは本物だ。
これであっさりフラれたらダサいよな、とか恥ずかしいよなってのももちろん思うけど、むしろそれもいいかなってさえ思う。
二年前までいろんな人のブログを読んでいたわたしは、いろんな形で恋をする人たちを知った。
世の中では不倫している人たちもけっこういる。でもその中でわたしが見た人たちは、奥さんがいる人に対してとても純粋に愛情を表現していた。
正式な奥さんが別にいて、家には週の半分だけ帰ってくる富豪の内縁の妻をやっている人、もう別れてしまったけれど、彼に奥さんがいても本気で愛していた人、、。
薄っぺらいところだけ見ると非常識であり、不倫という言葉でおさまってしまうことだけど、
彼女達の気持ちはとても純粋なんだろうなって思った。(その奥さんを傷つけてるかどうかは知らんけど)
その別れてしまった既婚者の彼に対して、感謝と愛しさ、そして悲しさを素直に表現する姿はとても美しかった。
どんな形であれ、人を愛することは素晴らしい。そう教えてもらった気がする。
だからわたしもこれを書いているのかもしれない。
この先どうなっても、今この瞬間は確かだもの。